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Musique merveilleuse ~すばらしき音楽~
こんにちは!ここは主にリレー小説を書くブログです。 夢妃とときむして小説を書いていこうと思います。 よかったら感想ください。

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Only My Life...9

冷え切った室内。
大理石の床が、
裸足の希羅をさらに冷やしていく。
温かみが全く感じられない部屋の隅のほうに、希羅はいた。
その手には、先ほど資料庫で盗んできた本が握られていた。
月明かりだけをたよりに、本を読みすすめていく希羅。
彼女の目は光輝いて見えた。
「これだわ!」
〝Le livre de l'histoire〟 と、表紙にはフランス語でかかれている。
日本語に直訳すると「歴史の本」
つまり、これは月光家と星光家の戦いについてはるか昔から書かれてきた本なのだ。
希羅が開いている2041ページ・・・ちょうど、希羅の祖母と星光家の者との戦いが書いてあるページであった。
―祖母は血がつながっている。
しかし、母は義理である。
なぜ、自分に実の母がいないのかと、他の者に問いただしたことは一度もなかった。
母は血がつながっていないということを、かなり小さい頃から言い聞かされてきたからだった。
―でも。
もしかしたら、この本をよめば、本当のお母様がいない理由がわかるかも知れない。
希羅はそう思って資料庫に忍び込んだのだった。
さっそくページを読んでみる。
この本はすべてフランス語で書かれている。
しかし、小さい頃からフランス人である祖母と暮らしてきた希羅にとっては何の苦もないことであった。
“この年は3回目の境年であった。星光家に男子が生まれたのである。そのため、月光家には、誰にも負けない協力な力を持つ少女が生まれた”
「これがおばあ様なのね」
自分の祖母の本当の力を見たことがない希羅は少しびっくりした。
“しかし、ここで月光家と星光家による、前代未聞の事件が起きたのである”
「―ん?」
これは・・・おばあ様のこと・・・
と、いうことは、おばあ様はなにか事件を起こしたのかな?
前代未聞って・・・
“その事件とはすでに最初の戦いではじまっていたといわれる。なんと、やってはいけない最大の3タブーのうちの1つ。月光家と星光家の者同士が恋に落ちたのである”
恋ッ!?
おばあ様が、最大のタブーを・・・?
“二人の仲は次第によくなっていき、両家が和解しそうになった。しかし、長年争ってきた血が騒いだのか、なかなか戦いをやめることはできなかった”
“ついに二人は子供を授かってしまった。これは、本当にやってはいけないことである”
「・・・・・・」
“しかし、所詮は戦う運命。二人は引き裂かれることとなる。
二人は一生会わないことを誓い、二人の間で生まれた子供が月光家側の人間とするが、戦うことは許されず、遠くの施設におかれることで意見が一致した”
“二人の間に生まれた子供は施設を家とし、普通に暮らし、子供を産んだ。
その子供には月光家のしるしである、三日月のマークが額にくっきりと刻まれていたのである”
ここまで読んで、希羅は自分のおでこに手をやった。
そこには、三日月のマークが刻まれている。
“この子供は再び月光家に連れ戻し、教育し、戦わせることになった。  
と、このように、運命とは儚いものであり、避けられないものである。
この二人はこれから一生出会うことがないだろう  完”
唖然とした。
―どこからつっこめばいいのか、わからない・・・
とにかく、自分の周りは激動の時代だったわけだ。

“運命とは避けられないものである・・・”
本当だろうか。
本当に、私はこの運命を、していかなければならないのだろうか。

時は経つのが早い。
次の戦いは目前に控えていた。

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Only My Life...8

よりによって日曜日の朝から訓練なんて、兄さんのばかっ!
なんでこんないい日に帰って来るんだよ!!

兄と妹

 気持ちの良い朝。ほとんどの人はまだ眠っているであろう時間帯にあきらとその兄は広い庭で組み手をしていた。
「1日たりとも休むな。心身ともに鈍るぞ」
「分かってる、分かってるよぉ」
 でも兄さんとは違うんだよ、とあきらは心の中でひっそりと悪態をついた。心のつぶやきなのに、こちらを睨む兄が怖い。
 金髪に深緑の目を持つ小柄な兄は、あきらと並んでも少々大きいだけの小さな兄だった。しかしあきらにとって、その「兄」という存在はとても大きく文句も何も言えなかった。
 不服そうな顔をしていたあきらを軽々と地面にたたきつける様は、本当に兄妹なのかと疑問を持たせる。
「も、少し、手加減をお願いしたいです」
 背中を打ち付けたあきらはその痛みに耐えながら体を起こすが、兄はそんなこと知ったことではない、とあきらを見下ろしている。
 元軍人の兄にとってはそれくらいなんともないことなのだろうが、少々運動神経が良いだけの一般人であり、先日の月光家との戦闘も無傷なのが奇跡だと思っているあきらにとっては、とても手厳しいものだった。

 あきらが、ひととおり兄の特訓メニューをこなしたときには、既に本来の起床時間である10時をとうに回っていた。
「おなか、すいたんだけど…」
 朝ご飯抜きで動きっぱなしだったあきらが、さわやかな芝生の庭に寝転んでそう切実に訴えると、兄は初めて微笑んだ。
「じゃあ、久しぶりに私の手料理といくか」
 思わぬ言葉にあきらの顔が、今までの表情とは一変してかがやかしいものに変わった。
「兄さんの手料理…っ」
 久しぶりすぎて涙が出そう、と笑うあきらに手を伸ばして助け起こした後、兄は腕まくりしながら玄関へと歩いていった。
 兄さんは、軍人気質が抜ければ、いい兄さんなんだよな。
上機嫌になったあきらも、兄の後を追って玄関へ向かった。

 遅い朝食を楽しみにしていたあきらはキッチンの前で絶句する。
 大理石がふんだんに使われている広いキッチンには、料理の腕が全くないあきらが散らかした焦げたフライパンや、食べ物だったと思われる物体が、あたりにころがっていたからだ。
 そして、その前でエプロンを着け硬直している兄を見たからだった。

久々の更新で申し訳ありません!
しかも兄さんの名前が決まらないっ!!
ここら辺しばらく月光&星光双方の生活描写になりそうですネ。

My Only Life...7


月明かりに照らされ、静粛な空気につつまれ、どこかひんやりとした室内。
そんな部屋に、希羅はいた。

月明かりのみを頼りに、電気もつけず、ペンライトも持たず、室内をすすんでいく。
室内はとても広く、大理石の床があたり一面に広がっている。
そこにはたくさんの棚が。
棚の中には、埃にくるまれた、数々の古い本が綺麗に整列していた。

希羅はお目当ての本を探す。
ここは、分類というものがされていない。
だから、自分ですべて探さなければいけないのだ。
―上まで手が届かないじゃない。
希羅はがんばってジャンプしてみる。
すると
ガタガタ!!
本が一気に落下してきた。
「いったぁ。。。」
ガラ
ドアの開く音。
―やばっ!
あれだけ細心の注意を払ってきたのに、こんなところで音を出してしまうとは・・・
希羅はひたすら息を潜めた。
コツコツ
綺麗なハイヒールの音。
規則的になるハイヒールは一寸の迷いもない。
その音は、ちょうど、希羅のいる棚の前に止まった。
「希羅、何をしているの」
綺麗な青の瞳、ブロンドの髪、足の細い長身・・・
その美しい瞳からは冷たい光が差し込んでいる。
「お義母様・・・」
一番見つかってはいけない人に見つかってしまった。
―でも、ここまできたんじゃない!
希羅はとっさに、片付けきれなかった本を服にしまった。
「申し訳ありません。すぐに部屋に戻ります」


どもどもですーっ
久しぶりの更新。ごめんなさい。
でも、次の内容は決めたのでww
大丈夫です。次は早いですっ

Only My Life...6

すずめが歌ってる。
あぁ、こんなに気持ちの良い朝は久しぶり、
「…っいいかげんに…っ…get up!! Akira!!」

Good morning Breaker

うららかな初夏の陽射しを反射する金色の髪の毛が目に入る。
その深緑の目は強い光を放ち、あきらを睨み据えていた。
「あ、あぁ…おはようございます」
「おはようではない、何時だと思っているのだ!」
その言葉にハッとし、あきらはならなかった目覚まし時計を見た。
アナログの時計は、日曜日の目覚めとしては早すぎる、午前5時を指していた。
「いや…5時6分…」
「だから起こしに来たのではないか」
低血圧のあきらはまだ目が覚めていない様子で、必死にこの素晴らしい朝を取り戻そうと、今だ睨み付けている強い目を見ないようにしながら反論をする。
「私は、休日は最低でも10時まで寝ていて、朝ご飯は要りません」
しかし寝起きのあきらの頭では、大きなため息をつく相手には弱すぎた。

まばゆいばかりの金髪をくしゃくしゃと右手で無造作にかいたのち、それとは正反対のあきらの髪を、寝癖を直すように撫でた。
「良い朝は早く起きるに限る」
「……今から着替えます、兄さん」

本っ当に久しぶりで申し訳ありません!相変わらずなマトと文章です。
新キャラ勝手に出しちゃいますよ~

Only My Life...5

「終わったのね」
不意に、背後から声がした。
―気配に全く気づけなかった・・・
振り向くと、そこには70代とは思えない美貌を持ち合わせた綺麗な貴婦人がたっていた。
「おばあちゃん!!」
「何度も言ってるでしょ。おばあ様とお呼びなさい」
流暢なフランス語でそう語る婦人。彼女は窓辺に立って星を眺めていた希羅の隣へと優雅に歩いてきた。
「懐かしいわねぇ・・・」
「おばあちゃん・・・じゃなくて、おばあ様ももちろんこの家の人だから、昔は戦ってたのよね?」はっと思い出して希羅は聞いてみた。「どんな人だったの?」
大きなフランス窓に少し身を乗り出すようにして、貴婦人は星を見つめた。「強い人だったわ。そして・・・かっこよかった」
「かっこいい・・・?」
婦人は星を見つめたまま、少女に語りかけた。
「そうねぇ。私の年は境年といってね。ちょっと月光家にとって不利な年だったの。100年に一人くらいの割合で、月光家と星光家のどちらかが不利になることがあるのよ。」
婦人が一息入れたのを見計らって希羅は尋ねた「不利って?」
「私は女性でしょ。でも、星光家は男性だった」
希羅は、はるか昔に習ったことを思い出した。
―月光と星光は代々同じ年に女子しか生まない。
希羅とあきらがいい例だ。
しかし、今おばあ様がいってることは・・・「異常だった」
ぼそっと、希羅がつぶやいた。
「そうね・・・簡単に言えば異常な年だったのよ。本当に・・・強い人だったわ」
ふと隣をみると、さっきまでこちらを向いていた婦人は星をみていた。
「でも、おばあ様は負けなかったのね」
希羅も一緒になって星をみて言った。
「結果論としては。でも、自分に負けたわ」
自分に・・・?
「自分に・・・負けたの」
意味深なその言葉に、希羅は何も言うことができなかった。
「さて。そろそろ特訓の時間じゃないのかしら。こんなとこにいていいの?」
「あっ、そうだった。行って来ます。私の相手はボウガンを必殺技にしてるから、それに対応できるようにがんばらなきゃ」
そのとき、ずっと老人が演じ続けてきた“貴婦人”の仮面が一度だけ剥げたことを、希羅は気づかなかった。
「そう。いってらっしゃい。次の戦いはすぐそこよ」
希羅はもう一度別れの言葉を丁寧にいい、ドアに向かって走って行った。
大きな、大きなフランス窓の外にある星々をのうちのたった一つだけを見つめて老人は言った。
「ボウガンを使った技・・・」




どーもっ夢妃です。
どぉなっちゃうのかな?この小説っ!!
次回の展開に期待ですねー♪
全くの相談なしで書いているので、私もマトのを読むのがすごく楽しみになっていますw
がんばだーっ

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夢妃 マト
性別:
女性
自己紹介:
☆夢妃
中学2年
部活はオケで、トランペットやってます。
ミュージカルとか、多数出演。HIPHOPもやってます。
受験がない私ですが、日々一生懸命勉学に励んでおりますw

☆マト
公立中学2年
吹奏楽部でフルート吹いてます
来年は受験生!
パニックを起こしやすいので
今からコツコツがんばってます
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